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坂本龍馬と薩長同盟~機能する同盟とは?~ [日本史・世界史関連]

28日に今年の大河ドラマ「龍馬伝」が龍馬暗殺事件をもって終了した。私も毎週見るようにしていたが、近年の大河ドラマの中でも名作と位置づけられるものになっていたと思う。


さて、坂本龍馬が行った業績の中で特に有名なのは「薩長同盟の成立」であろう。この薩長同盟が明治維新の枠組みになったことは私が書くまでもないだろう。しかし、この当事者である薩摩藩と長州藩は互いにいがみ合っていた。1863年の八月十八日の政変で薩摩藩と会津藩によって京都を追われた長州藩は尊皇攘夷派である孝明天皇を長州側へ得るために1864年に挙兵。いわゆる蛤御門の変(禁門の変)を起こす。しかし、またもや薩摩藩と会津藩によって敗北。長州藩は敗走することとなる。こののち第一次長州征討が行われ、長州藩は壊滅的打撃を受けることになる。このような経緯から薩摩藩と長州藩の対立は凄まじいものとなっていた。坂本龍馬はこのようにいがみ合っていた薩摩藩と長州藩を同盟させることで江戸幕府の時代を終わらせようとしたのである。


薩摩藩と長州藩の同盟であるが、実は歴史上もう1人薩摩と長州を結びつけようとした人物がいる。それは1600年関ヶ原の戦いで有名な石田三成である。石田三成は西軍(豊臣方)の総大将として毛利輝元をおいていた。また、そこには薩摩の島津義弘も出陣していた。この結果、西軍の兵力・布陣ともに東軍を圧倒していた。それを表すエピソードとして、明治時代に陸軍大学校の教官としてやってきた関ヶ原の戦いの布陣を見たドイツのクレメンス・ウィルヘルム・ヤコブ・メッケル少佐は「どっちが勝ったと思いますか?」と聞かれ「西軍が勝った」と述べている。たしかに、関ヶ原の戦いのときに西軍が全力で東軍に立ち向かっていれば歴史は変わったかもしれない。しかし、史実はそうではなかった。毛利輝元も島津義弘も動かなかったのだ。そもそも総大将は毛利輝元なのに、実際に合戦を仕切っていたのが石田三成であったことや豊臣秀頼自身が出陣してこないこと、淀殿の専横に対する不満などがあり、かなりの武将が様子見をしていたのだ。結果として合戦の大勢が東軍側になるまで毛利・島津とも戦場から撤退するまで動くことはなかった。


一方、坂本龍馬が行った薩長同盟のほうはいかなるものであったか。ここには1600年の「石田三成による薩長連携」とまた違った形が見える。たしかに「豊臣に逆らう徳川を倒すため」という石田三成の目標設定と「徳川幕府を打倒するため」という坂本龍馬の目標設定は同じ様なものである。しかし、坂本龍馬はここに薩長両者の経済的利益も付け加えた。具体的には薩摩名義で長州が仕入れた最新式の銃火器を長州へ送る代わりに長州藩は米を薩摩へ送った。薩摩は桜島の火山灰地質のため米があまり生産できなかったからだ。一方長州藩は第二次長州征討に向けて大量の武器弾薬を必要としていた。


そのような前提となる経済的な関係を結んだ上で薩長同盟の交渉は行われた。もちろん経済的に相互に必要な関係になったとはいえ、薩摩藩と長州藩の政治的な溝は簡単には埋まらなかっただろう。だから、両藩ともそこまで大きなかかわりがなく、なおかつ相互の経済的利益に貢献している人物である坂本龍馬が仲介人にとなれたのだと私は思う。坂本龍馬は薩長同盟のプレイヤーというよりはむしろプロデューサーだったといえるのではないだろうか。


私は同盟関係には「機能する同盟関係」と「機能しない同盟関係」があると考える。歴史上を見ても同盟条約が結ばれたのに何も機能しなかった同盟関係もあれば機能し、その国の戦略的勝利に貢献した同盟関係も存在する。これは何も戦国時代や幕末だけにいえることではない。現代の国際政治の現場においても言えることだと私は考えている。

「機能する同盟関係」をつくるためには①安全保障の戦略上統一された目標の設定(例えば「◯◯に対抗するため」「◯◯と△△を獲得するため」) ②長期的なおかつ場合によっては直接的な行動が求められるものに関しては経済的な関係を積極的に進めること ←以上2点が必要になってくると考える。

そう考えると日米安全保障条約や日本が今後検討することになるであろう他国(インドなど)との同盟関係を構築・強化するには単純な安全保障上の取り決めだけではなく、経済的な利益に関わる部分までやっていく必要があると私は考える。


薩長同盟の成立から私が見えてくるのは坂本龍馬の「機能する同盟を作るプロデューサーとしての手腕」なのだ。
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F・K

こんにちは。歴史は苦手なのでなかなか理解できないですが、更新頑張ってくださいな
by F・K (2011-02-05 17:08) 

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